東京大学との共同研究も始動~医科歯科 ONE TEAMをテーマに「エピオス 七夕会2026」開催

株式会社エピオスは712日、恒例の「エピオス七夕会2026」を東京・京橋で開催した。今年のテーマは「医科歯科 ONE TEAM ―臨床×現場×患者対応」。歯科医師、歯科衛生士をはじめとする医療関係者が全国から集まり、口腔医療と全身の健康、予防医療、医科歯科連携をテーマに、一日を通して講演や意見交換が行われた。

医科歯科連携で口腔から全身の健康を支える新たな挑戦

冒頭、株式会社エピオス代表取締役の七谷順子氏は、「今年はエピオスにとって大きな節目となる一年です」と切り出し、東京大学大学院医学系研究科との共同研究が今月からスタートしたことを報告した。共同研究では、同社が開発・展開するPOICウォーター(弱アルカリ性電解次亜水)について、科学的エビデンスの構築を進めていく。七谷氏は、東京大学大学院医学系研究科口腔顎顔面外科学分野・星和人教授との出会いから約1年を経て共同研究開始に至った経緯を紹介し、「これから約3年間かけて、新しいエビデンスを積み重ねていきたい」と述べた。また、この共同研究の実現にあたり、公益財団法人国際医療財団の瀬島俊介代表理事やNPO法人POIC研究会関係者など、多くの支援があったことへの感謝を伝え、「臨床現場で積み重ねてきた経験を、科学的な根拠として社会へ発信していきたい」と今後への期待を語った。

エピオス 七谷社長のあいさつ

口腔医療は「全身」を診る時代へ

最初の基調講演では、東京大学大学院医学系研究科口腔顎顔面外科学分野教授の星和人氏が、「口腔医療の重要性と弱アルカリ性電解次亜水の可能性」をテーマに講演した。星氏は、口腔外科の発展の歴史を振り返るとともに、近年は糖尿病や循環器疾患、認知症など全身疾患と口腔環境との関係が次々と明らかになっていることを紹介。「口腔全身クロストーク」という視点から、口腔医療は全身の健康を支える重要な役割を担うようになってきたと説明した。また、口腔ケアの質をさらに高めるためには、臨床経験だけでなく科学的根拠の蓄積が重要であり、今回スタートした東京大学との共同研究にも大きな期待を寄せた。

東京大学大学院医学系研究科口腔顎顔面外科学分野教授星和人氏が講演

臨床現場で積み重ねた15年の実践

続く基調講演では、まいか歯科医院の小林力院長と歯科衛生士の門倉美晴氏が、「エピオス製品導入から定着までのプロセス」を紹介した。小林院長は、15年以上にわたりPOICウォーターなどを活用してきた経験をもとに、患者とのコミュニケーションや医院全体の診療スタイルがどのように変化したかを具体的な症例とともに紹介した。「削る治療」だけではなく、「患者の健康を守る歯科医療」を目指す診療への転換は、多くの参加者の関心を集めた。

「舌」は全身の健康を映す

基調講演3では、オウル歯科の石塚ひろみ院長が「舌マニアから伝えたい!『舌』の大切さ」と題して講演した。舌の色や形、苔の状態などを観察することで、全身状態や生活習慣の変化を読み取る考え方を紹介。歯だけでなく、人全体を診る視点の重要性について解説し、日常診療の中で実践できるポイントを分かりやすく紹介した。

一日を通じて学びと交流

当日は3題の基調講演に加え、特別講演、企業発表、全体総括が行われた。企業発表では医療接遇やデジタル歯科、口腔内スキャナーなど最新の取り組みも紹介され、午後5時からは懇親会も開催。講師と参加者、参加者同士が交流し、それぞれの現場での課題や取り組みについて活発な意見交換が行われた。単なる講演会ではなく、「学び」と「ネットワークづくり」の場として、七夕会らしい温かな雰囲気に包まれた一日となった。

JWM視点

今回の七夕会で最も印象的だったのは、医科・歯科連携を視野に「口腔医療の未来を考える場」として企画されていたことである。東京大学との共同研究開始は、その象徴的な出来事だった。これまで臨床現場で積み重ねてきた経験を科学的エビデンスへと発展させようとする姿勢は、今後の歯科医療にとって大きな意味を持つだろう。また、星教授が語った「口腔と全身の健康」、小林院長が実践する予防中心の診療、石塚氏が紹介した舌から健康を読み解く視点は、それぞれ異なるテーマでありながら、「人を診る医療」という一つの方向性につながっていた。「医科歯科 ONE TEAM」という今年のテーマは、単なるスローガンではない。大学、臨床現場、企業がそれぞれの立場を生かしながら連携し、口腔から健康寿命の延伸に貢献していこうという意思が、この七夕会全体を貫いていたように感じられた。