温泉で「自分の時間」を取り戻す~ 草津温泉でクロノタイプを知る2泊3日「草津EDU」10月4日初開催

温泉で「自分の時間」を取り戻す

草津温泉でクロノタイプを知る2泊3日「草津EDU」、10月4日から初開催

朝早くから活動しやすい人もいれば、夜になるほど調子が上がる人もいる。こうした、その人が本来持っている生活時間の傾向を「クロノタイプ」と呼ぶ。大きくは朝型、中間型、夜型などに分けられ、睡眠だけでなく、食事や運動、休息の取り方とも関係している。

では、温泉には、いつ、どのくらい入ればよいのだろうか。旅先では、温泉の温度や同行者の予定に合わせ、なんとなく入浴している人も多い。しかし、自分のクロノタイプを知り、それに合わせて温泉を使うことができれば、温泉滞在は自分の心身を知り、日常を整え直す機会になるのではないか。

群馬県・草津温泉のホテルヴィレッジは2026年10月4日から6日まで、2泊3日のウェルネスプログラム「草津EDU」を開催する。企画・プログラム設計を手がけるのは、温泉利用指導者で産業カウンセラーのケイ武居氏。自分の時間タイプを知り、温泉、食事、光、運動、休息を組み合わせて実際に試し、帰宅後の暮らしへ持ち帰る少人数制のプログラムである。正式名称は「草津 EDUCATION ウェルネスプログラム」。温泉滞在を通じて自分の身体と暮らしについて学び、日常へ持ち帰ることを目指している。

 

「よいものを足す」発想からの転換

草津EDUの原型は、健康と温泉フォーラムが草津温泉・中沢ヴィレッジで行ったテストスタディにある。中沢ヴィレッジの中澤敬会長は同フォーラムの常任理事、武居氏も理事を務めており、温泉を健康づくりに生かす活動を重ねてきた。武居氏は当初、自律神経や血管の状態の測定、主観的なアンケートなどを組み合わせ、入浴前後の変化を捉えようとした。

しかし、検討を重ねるなかで、「よいものをいくつも組み合わせれば、よいプログラムになるとは限らない」と気づいたという。そこで今回は、自律神経などの測定を組み合わせながら、プログラムの中心に「クロノタイプ」を置いた。クロノタイプには生まれつきの要素が大きく、単なる性格や努力の問題ではない。一方で年齢などによって変化することもある。社会の時間に自分を合わせ続けることで、眠ったはずなのに疲れが残る、夜中や早朝に目が覚めるといった生活リズムのずれを感じる人もいる。

プログラムでは、AIを活用して開発したツール「草津温泉時間ナビ」により、参加者が現在の時間タイプや生活リズムを確認する。判定基準の設計には、体内時計と時間栄養学を専門とする大学研究者が学術指導に入る。

泉質から「使う人」へ

温泉研究では、泉質や成分、入浴による身体変化などが蓄積されてきた。一方で、「誰が、いつ入るのか」という使い手側の時間軸と温泉を結びつけた試みは、まだ多くないと武居氏は見る。草津EDUでは、自分の時間タイプを知ったうえで、入浴する時間、湯の温度、入浴時間などを考える。温泉に自分を合わせるのではなく、自分のリズムを起点に温泉を使いこなすという発想だ。

朝食、光、身体活動もその時間軸で捉え直す。例えば朝食でたんぱく質を取り、その後に自然の中を歩く。食べることと身体を動かすことを別々の健康行動として扱わず、時間も含めて一日の流れに組み込んでいく。

草津の入浴文化を安全に体験する

2日目には、草津に伝わる時間湯の文化を現代向けにアレンジした段階浴や「湯蒸し」を体験する。かつて時間湯では、湯長が時間を告げ、入浴者の返事を聞きながら状態を確かめていた。草津EDUでもスタッフが見守り、時間と体調を管理する。入浴後は専用の布団に包まれ、温もりと発汗を感じながら休息する。水分補給やクールダウンにも配慮する。健康状態によっては高温湯、段階浴、湯蒸しを控え、適温の浴槽へ切り替える。当日は血圧と体温を確認し、施設基準に沿って実施する。伝統をそのまま再現するのではなく、そこに含まれていた「時間を管理する」「人が見守る」という知恵を、現代の安全性に合わせて受け継ぐ点も、このプログラムの特徴である。

知る・試す・持ち帰る

初日は、体内時計と睡眠について学び、「草津温泉時間ナビ」で自分の時間タイプを確認する。その結果をもとに、入浴、食事、光、散歩の時間を組み立てる。2日目は、時間湯の文化体験、湯蒸し、森林浴ウォークなどを通じ、作成した時間割を実際に試す。3日目には心身の変化や気づきを振り返り、帰宅後に続ける方法を整理する。参加者には、時間タイプやリズムのずれなどをまとめた「私の結果カード」、自分専用の一日の時間割、書き込み式ブックレットなどが渡される。

目的は、草津で一時的に整って終わることではない。自宅の浴槽でも、温泉がない環境でも、自分に合う入浴や休息の取り方を選べるようになることである。

 

JWMの視点――温泉滞在を日常の行動変容へ

J-Wellness Mediaが注目したいのは、草津EDUが温泉の効能を一方的に提供するのではなく、参加者自身が「知る・試す・持ち帰る」構造を持っている点だ。地域にすでにある温泉、入浴文化、森林、食、人の見守りを、体内時計という新しい視点でつなぎ直す。そして、旅先で得た気づきを帰宅後の暮らしへ戻す。これは観光体験を、生活者主体のウェルネスへ変える試みといえる。まずは草津でモデルを検証し、将来は他の温泉地や企業、海外にも応用できる日本型ウェルネスプログラムへ育てる構想もある。温泉地が「湯に入る場所」から、自分の時間を取り戻し、暮らし方を学ぶ場所へ変わる。その可能性を確かめる最初の3日間となりそうだ。J-Wellness Mediaでは、今回の実施を出発点として、参加者が何を学び、帰宅後の暮らしへどうつなげたのか、プログラムの成果と課題についても継続して取材していきたい。

 

JWM読者へのご案内

草津EDUでは、J-Wellness Media読者向けの参加価格が設定されています。通常参加費5万8,000円のところ、4万9,000円で参加できます。申込時にホテルヴィレッジへ電話し、「草津EDU、JWMで見た」とお伝えください。申込締切は2026年9月30日(水)です。

開催概要

  • 名称:草津EDU
  • 日程:2026年10月4日(日)~10月6日(火)2泊3日
  • 会場:草津温泉 ホテルヴィレッジ(群馬県吾妻郡草津町大字草津618番地)
  • 定員:10名(少人数制、定員に達し次第締め切り)
  • 対象:18歳以上。1人、夫婦・パートナーでの参加も可
  • 通常参加費:58,000円(2泊3日・4食・全プログラム・入湯税込。ランチは含まれない)
  • 本記事からの紹介価格:49,000円
  • 申込締切:2026年9月30日(水)
  • 申込方法:草津温泉 ホテルヴィレッジ、電話0570-01-3232(受付9:00~18:00)。電話で「草津EDU、JWMで見た」と伝える
  • 公式サイト:https://www.hotelvillage.co.jp/
  • 主催:株式会社中沢ヴィレッジ
  • 企画・プログラム設計:有限会社ケイズケア ケイ武居

※本プログラムは医療上の診断・治療を目的とするものではありません。測定・質問の結果は、自身の過ごし方を考えるための参考情報です。

取材・文/江渕 敦(J-Wellness Media)

取材協力/有限会社ケイズケア ケイ武居